QTの日記

広島出身。シドニーに6年住んだ後、最近フランスに移住しました。憧れの田舎暮しを目指してコツコツ準備中。

私が田舎へ移住しようと思った理由

最近この本を読みました。 都会から田舎に移住した人たちの事例をまとめた本です。

成功例というよりは、「こういう経緯で移住して、今も〇〇をやろうと奮闘中!」といった感じで、リアルで親近感が湧きました。

これをきっかけに、私が田舎へ移住しようと思った理由もまとめたくなりました。

ざっくり4つの理由があります。

1. 直感

きっかけは、2017年の夏、フランスで1ヶ月の休暇を過ごしたこと。2週間ほど田舎を旅して、主にArdèche, Dordogne, Hautes-Pyrénéesに滞在しました。

フランスの田舎は本当に美しいです。多様な自然とそれとずーっと共存してきた古い村や人々、地元で作られた旬の食べ物たち。

どれくらい「田舎」だったかというと、こんな感じです。

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Dordogne川にて

建物も、その土地の素材(石や土)を使って、そこに何百年も建っていて、共存してる感じ。作られた感がなくて場所に馴染むんです。実際に建物にツタなんかが生えて、半分自然と化してます。

滞在中、幸福感マックスでした。そこの自然には何か不思議な力があるんじゃないかってくらい。その時、私は自然に身を置くだけで、こんなにも幸せな気分になるんだと実感しました。

この休暇を機に、私の直感はどんどん確信に変わりました。

シドニーで真逆の環境に戻った時に、一気に都市に冷めた自分がいました。目に入るものが全て人工物。1週間のうち5日間オフィスにこもり、週末に数時間だけ外に出る。中心地に住み働いていたので、尚更ショックが大きかったです。 

自然と都市で過ごす時間のバランスを、あのフランスの田舎の様にできたら幸せだろうなー。というか、あんなに幸せな世界があるなら行くしかないでしょ。という感じでした。

2. 実現する見込み

とはいっても、田舎で生活していけるか?が現実問題。
それも幸い、実際に移住した同年代の家族に会った事で実現性が見えました。

フランス滞在中に、Ardèche県のとある村で夫の友人宅に1週間滞在しました。彼らはリヨン郊外出身で当時40才、7年前に夫婦でここに移ったそう。

2人の子供がおり、村で広告代理店を営んでいます。旦那さんががセールス、奥さんがデザイン担当。

彼らのリアルな田舎暮らしを見るうちに、私の移住へのハードルも下がっていきました。

特に驚いたのは、こんなにも遠隔なのに、子供が多いこと!小さな村なのに幼稚園と小学校がありました。
確かに、村でも若い人をたくさん見かけます。もしお年寄りだけなら、自分の将来も見え難いはず。

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庭で朝ごはんは夏の定番だそう

また、生活費も現実的に思えました。当時住んでいたアパートの3〜4分の1の家賃で庭付きの家が買えます。独立して生計を立てるのに不安もありますが、出費が減る分、今までよりはプレッシャーが軽くなる気がします。

利便性も心配でしたが、小さな村でも車で15〜30分の距離に町があり、スーパーや病院など最低限のサービスは揃っています。

3. 価値観の変化

広島の郊外で育った私は、これまで都市に住む事に何の疑問も感じることなく生きてきました。しかし30歳辺りから、自分の好みや性格が、都市と合わなくなった事に気づき始めます。

空き時間は外食や買い物よりも、自然の中でのんびり過ごしたいと思い始め、人混みも苦手になりました。憧れていた広告代理店もいざ入ってみると「まあこんなもんか」という感じ。私の仕事だと人と合わなくてもできるので、無理して都会にいる必要もありません。

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そして何より、自然はプライスレスだと気づきました。季節を肌で感じること、目に映るキラキラした森の緑、自分で育てた野菜、これらは全て値段がつけられない、かけがえのないものです。

私にとって買い物や外食よりも、自然と触れ合う方が圧倒的に暮らしの豊かさを実感できました。

4. 未来のため

健康面の心配

シドニーに移住して3年くらい経ってから、食べ物と化粧品が原因のアレルギーが発症し始めました。

そのせいで、輸入や大量生産された食べ物にはもう不安しかありません。でも都市ではスーパーに売られてるこういった食べ物に頼らざるを得ません。

正直、これ以上健康を犠牲にしてまで都市に住みたくない。自分自身の健康はもちろん、将来子供を持つと思うと、怖くなりました。

環境のため

物を手作りしたり、家庭菜園をしたり、できるだけ丁寧でシンプルな暮らしをするのが目標です。3年間ベジタリアンも試したし、ゴミも減らそうと努力してきましたが、都市ではやはり限界があります。 

あとは単純に、環境に悪いことは、気持ち悪く罪悪感もあります。このまま経済中心の都市型生活を続けて、人類と地球にとって持続的ではないのは明らかだです。小さいながらも何らかの変化を起こせたらなと思っています。

おわりに

なんだかんだ語りましたが、私もまだ移住の準備真っ最中。今回の記事を読んで、多様な考え方、生き方があるんだなという選択肢を示せれば嬉しいです。

最初に紹介した本を引用すると、“「移住するかどうか」よりも「どう生きるか」”が大事ですね。最後まで読んで頂き、ありがとうございました。